STAR法とは?面接で経験が伝わる話し方の型と、1分で話す例文
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「学生時代に力を入れたことは?」「困難を乗り越えた経験は?」。経験を聞かれる質問で、思い出したことを順に話しているうちに、何が伝えたかったのか分からなくなった経験はありませんか。この記事では、経験を伝わる順番に並べる型「STAR法」を、面接の例文と練習方法つきで解説します。
STAR法とは
STAR法は、自分の経験を状況 → 課題 → 行動 → 結果の順に話す型です。4つの要素の英語の頭文字をとって、STAR(スター)と呼ばれます。
- SSituation
- 状況。いつ・どこで・どんな立場だったかを短く伝える。
- TTask
- 課題。その状況で何が問題で、何を目指していたかを示す。
- AAction
- 行動。課題に対して自分が具体的に何をしたかを話す。
- RResult
- 結果。行動によって何が変わったかを、できれば数字で伝える。
もともとは、過去の行動から応募者の力を見極める「行動面接」で使われてきた型です。いまでは就職・転職の面接だけでなく、エントリーシートや職務経歴書、社内の評価面談、成果の報告など、自分がやったことを説明する場面全般で使われています。
面接でSTAR法が効く理由
面接官が知りたい「行動」が中心に来る
経験を聞く質問で面接官が見ているのは、出来事そのものより「その人が、どう考えて、何をしたか」です。同じアルバイトの経験でも、どんな課題にどう動いたかで評価は大きく変わります。STAR法は、話の重心を自然と行動(A)に置けるように作られています。
話の前提が共有できる
面接官は、あなたのサークルや職場のことを何も知りません。最初に状況と課題を短く伝えておくと、そのあとの行動が「なぜ必要だったのか」が伝わり、工夫の価値が分かってもらえます。
結果まで話すので、話が尻切れにならない
経験談は「頑張りました」で終わりがちです。STAR法では最後に結果を置くので、行動がどんな変化につながったかまで話しきれます。結果が数字で示せると、話の説得力が一段上がります。
質問別の例文
面接でよく聞かれる質問に当てはめると、STAR法は次のようになります。どの例も、行動(A)にいちばん多くの言葉を使っている点に注目してください。
「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」を聞かれたら
- S状況
- 大学2年から、個人経営のカフェでアルバイトをしていました。
- T課題
- 平日の夕方は客数が少なく、店長から「この時間帯の売上を上げたい」と相談を受けました。
- A行動
- まず2週間、来店したお客さんの年代と注文をメモし、夕方は近くの高校生が多いと分かりました。そこで、学生証を見せるとドリンクとケーキが割安になるセットを店長に提案し、手書きのポスターを店の前に出しました。
- R結果
- 3か月後には、平日夕方の売上が前年の同じ時期より約2割増えました。この経験から、思いつきではなく、まず事実を集めてから動く大切さを学びました。
「困難を乗り越えた経験」を聞かれたら
- S状況
- ゼミで、4人のチームで地域の商店街についての調査レポートを書いていました。
- T課題
- 締め切りの1か月前になっても、メンバーの予定が合わず、作業がほとんど進んでいませんでした。
- A行動
- 私は全員が集まることをあきらめ、作業を4つに分けて担当を決めました。そのうえで、週に1回、15分だけオンラインで進み具合を共有する時間をつくり、遅れている部分は私が手伝いました。
- R結果
- レポートは締め切りの3日前に完成し、ゼミ内の発表では最も高い評価をもらえました。
転職面接で「成果を出した経験」を聞かれたら
- S状況
- 前職では、法人向けの問い合わせ窓口を5人で担当していました。
- T課題
- 問い合わせが増え、返信までに平均で2日かかるようになり、お客さまからの不満の声が出ていました。
- A行動
- 過去3か月の問い合わせを分類したところ、約4割が同じ5つの質問だと分かりました。そこで、この5つの回答をテンプレート化してチームで共有し、よくある質問のページにも載せるよう上司に提案しました。
- R結果
- 導入から2か月で、返信までの時間は平均で半日に短くなり、問い合わせの件数自体も約1割減りました。
1分で話すときの時間配分
面接の回答は、1分前後にまとめるのが目安です。人が聞き取りやすい速さで話すと、1分間でおよそ300字前後になります。STAR法で60秒に収めるなら、次の配分を目安にしてください。
| 要素 | 時間 | 文字数の目安 |
|---|---|---|
| S 状況 | 約10秒 | 50字(1文) |
| T 課題 | 約10秒 | 50字(1文) |
| A 行動 | 約30秒 | 150字(2〜3文) |
| R 結果 | 約10秒 | 50字(1文) |
行動(A)に全体の半分を使うのがポイントです。状況と課題はそれぞれ1文で済ませ、残りの時間で「自分が何をしたか」を具体的に話します。
PREP法との違いと組み合わせ方
結論から話す型として知られるPREP法と、STAR法は役割が違います。
- PREP法:意見や考えを伝える型。「あなたの長所は?」「〇〇についてどう思う?」のような質問に向いている
- STAR法:経験を伝える型。「〇〇した経験は?」「そのとき、どう対応しましたか?」のような質問に向いている
ただし、STAR法をそのまま使うと、話が状況説明から始まるため、聞き手は最後まで「何の話か」が分かりません。面接では、最初に結論を一言だけ言ってから、STARで話すと伝わりやすくなります。
よくある失敗と直し方
状況説明が長すぎる
サークルの歴史や職場の体制から丁寧に説明すると、肝心の行動に入る前に時間がなくなります。状況は「いつ・どこで・どんな立場か」の1文で十分です。面接官が詳しく知りたければ、あとから質問してくれます。
「私たちは」で、自分の行動が見えない
チームでの経験を話すとき、「みんなで話し合って」「チームで工夫して」と主語が「私たち」になりがちです。面接官が知りたいのはあなた個人の行動です。「私は〇〇をしました」と主語を自分にして、チームの中で自分が担った役割をはっきりさせましょう。
行動が「頑張った」で終わっている
「一生懸命取り組みました」「積極的に声をかけました」だけでは、何をしたのかが伝わりません。何を・どれくらい・どんな順番でやったのかまで分解すると、行動が具体的になります。行動の前に「なぜそうしようと考えたか」をひと言添えると、考える力も伝わります。
結果に数字や変化がない
「うまくいきました」で終わると、行動の効果が分かりません。売上・時間・人数・件数など、行動の前後で変わったことを数字で示しましょう。数字にしにくい成果なら、「お客さまから名前で呼ばれるようになった」のような具体的な変化でもかまいません。
深掘り質問への備え方
経験を話したあと、面接官はたいてい「なぜそうしようと思ったのですか?」「ほかに方法はありませんでしたか?」と深掘りしてきます。STAR法で整理しておくと、深掘りされやすいポイントがあらかじめ分かります。
- S・Tに対して:「なぜそれが課題だと思ったのですか?」
- Aに対して:「なぜその方法を選んだのですか?」「一番大変だったことは?」
- Rに対して:「その結果をどう振り返っていますか?」「次に同じ状況なら何を変えますか?」
話す内容をSTARの4つに分けて書き出し、それぞれの「なぜ?」に一言で答えられるようにしておくと、本番の深掘りにも落ち着いて対応できます。
STAR法を身につける練習方法
STAR法は、型を知っていても本番で使えるとは限りません。緊張すると、思い出した順に話してしまうからです。声に出して練習し、STARの順で話すことを口に覚えさせましょう。
1. 経験を3つ選んで、STARで書き出す
面接で話したい経験を3つ選び、S・T・A・Rをそれぞれ1〜2行で書き出します。1つの経験を、ガクチカ・困難を乗り越えた経験・チームでの経験など、複数の質問に使い回せるようにしておくと準備が楽になります。
2. 60秒で声に出して話す
書き出したメモを見ずに、タイマーで60秒を計って話します。時間を区切ると、状況説明を短くして行動に時間を回す感覚がつかめます。
3. 録音して、配分を確かめる
録音を聞き返し、状況説明に何秒かかっているか、「私は」で始まる行動が話せているかを確認します。行動より状況のほうが長ければ、まず状況を1文に削りましょう。
4. 深掘り質問に答える
話し終えたら、自分で「なぜ?」と問いかけて答えてみます。家族や友人に面接官役を頼めるなら、思いつくままに質問してもらうのも効果的です。
1分de言語化には「面接」カテゴリのお題があり、60秒で答えるとAIが結論ファースト・分かりやすさなどの5軸で採点します。回答をもとにした深掘り質問も3問返ってくるので、STAR法で話したあとの「なぜ?」への練習まで1人で行えます。
話す型をもっと広く身につけたい人は、言語化能力を鍛える7つの方法と、毎日1分の練習メニューも参考にしてください。
まとめ
- STAR法は状況 → 課題 → 行動 → 結果の順で経験を話す型
- 面接官が知りたいのは、出来事よりも「あなたが何をしたか」
- 1分で話すなら、行動(A)に全体の半分を使う
- 面接では、最初に結論を一言言ってからSTARで話すと伝わりやすい
- 主語は「私は」、結果には数字か具体的な変化を入れる
- 声に出して練習し、深掘り質問への答えまで準備しておく
まずは今日、面接で話したい経験を1つ選んで、STARの4行に書き出してみてください。書き出せたら、60秒で声に出して話してみましょう。
PRACTICE
読んだ型は、声に出して身につける。
1分de言語化は、お題に60秒で答えるとAIが「結論ファースト」を含む5軸で採点する言語化トレーニングアプリです。結論から話せているかを、毎回スコアで確かめられます。